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Kanzan Gallery 特別展示

リバーサイド 佐伯慎亮写真展

2017年5月12日 (金)- 5月21日(日)

 

OPENING: 5月13日(土)

TALK :17:00- その後レセプションパーティー

佐伯慎亮 (写真家)× 浅田政志(写真家)× 川名潤(装丁家)

TALK定員25名/要予約 TEL=03-6240-9807 info@kanzan-g.jp

 

Closing TALK: 5月21日(日)17:00-

佐伯慎亮 (写真家)× 中島大輔(写真家)× うつゆみこ(写真家)× 佐藤華連(写真家)

*2011年、リトアニアの首都、ヴィリニュスで開かれた国際写真フェスティバル「IN FOCUS」。

菊田樹子氏のキュレーションにより、日本の若手写真家グループ展「Internalized World」参加メンバーによるトークとなります。

 

 

彼岸と此岸についての独自の死生観と、偶然性によるユーモアに貫かれた前作『挨拶』は大きな話題を呼びました。それ以降の作品を収める写真集『リバーサイド』では、時間の流れに伴う変化を受け入れ、生と死のあいだに射し込む光への眼差しを感じさせます。家族というもっとも濃密な関わりですら、死別は訪れ、その傍ら、新たに生まれる命がある―

その当たり前の日々の巡りのなかで佐伯慎亮が切り撮るのは、生起するものと移ろいゆくものが交差する不可思議で侵しがたい瞬間です。小さな虫たち、液晶の光、うろこ雲にいたるまで、変転し流れるからこそ生命を帯びる。そのような写真群に触れながら、私たちがいまどこの川岸にいるのか、ふと思いめぐらすことができるかもしれません。

 

本書には、『挨拶』以降に撮られた写真がほぼ時間軸に沿って収められている。家族を撮ったものが目立つ。

子どもの誕生、成長、親との死別……。別に家族がテーマではないのだけど、と写真家は言う。気になるものにカメラをむけたら家族の写真になった、と。

(中略)

写真家は流れる時の岸辺にたたずみ、光と影の結び目に分け入っていく。 写真を見るわたしたちは、ページをめくりながら、写真家とおなじように、息をひそめて画面の細部に目を凝らす。

ふつうの風景のように見えるもののなかに、ほんの少しだけ不思議なことや異様なものが混じっている。 だれかが意図したわけではなく、「偶然」と表現されるたぐいの出来事だが、こうして写真に撮られると、実感せずにはいられない。

その偶然が恩寵に転ずることを。 ──── 大竹昭子「光と影の結び目」(帯文より)



佐伯慎亮 / Saeki Shinryo

1979年広島生まれ。大阪芸術大学卒。2001年キヤノン写真新世紀優秀賞。2009年写真集『挨拶』(赤々舎)刊行。被写体を限定せず、日常のあらゆる場面で生と死と笑いを収集。国内外での展覧会や、ドキュメンタリー映画の製作など関西を拠点に活動。2017年1月、7年ぶりの写真集『リバーサイド』を刊行。

http://www.saekishinryo.com