Kanzan Curatorial Exchange「風景 」vol.3

「水が立つ」

佐藤 祐治

キュレーター:菊田樹子

協力:KIKUwoodworks株式会社、株式会社アマナ FLAT LABO

 

2020年1010[土-31[土]

[火曜-土曜]12:00-19:30

[日曜]12:00-17:00

月曜定休/入場無料

 

TALK|10月10[土]16:30-

佐藤祐治(写真家)× 清水裕貴(写真家・小説家)

定員15名/要予約

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*新型コロナウイルス感染予防対策として、イベント当日16:30からは場内への入室を15名までとさせていただきます。

何卒ご理解ご了承のほどよろしくお願いいたします。

 

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 この作品は、佐藤が暮らす札幌市南区にある祠に祀られている半龍半人の観音像から始まり ました。「祈ることで病気が治った」と話す人もあり、「そもそも龍神とは何か」という疑問 を起点にリサーチを進めると、道内に 200 余の龍神信仰にまつわる場所が確認(2020 年 8 月現在)されました。

 

 佐藤はその場を実際に訪れ、目に入ったものをカメラに収め、文献を調べ、現地の人たちの 話に耳を傾けてきました。そこから見えてきたのは、日本各地から北海道に渡り、厳しい自然 と闘い、また寄り添いながらこの地を切り開いてきた開拓民や先住するアイヌの「祈り」の痕 跡であり、「河原を歩き、岩床を進み、滝を上り、林道を走って」、さまざまな地の多様な龍 神を巡る佐藤の眼前には、これまでとは異なる北海道の「風景」が立ち現れてきたのです。

 

 「2019 年の秋、佐藤さんより札幌での個展の DM をいただきました。ここ数年『龍神』を モチーフに制作をしていることは何度か聞いていたのですが、展覧会タイトルである『地平だ ったもの』を目にした途端、すべてが腑に落ちました。『地平』とは、フッサールの指す『注 意が向けられぬまま何となく『見え』たり『聞こえ』たり、想定されたりしているだけのもの の領域1』です。『地平だったもの』が蓄積され、それがある時『風景』として姿を現す2とい う体験を「写真」を媒介に表現しようとする佐藤さんの姿勢は、稀有であると同時に非常に挑 戦的であり、容易ではないことはわかっていましたが、ぜひ展示にしてみたいと思いました。

 

 また今回の展示では、『龍神』を追い始める前に、佐藤が自らのルーツを確かめる中で出会 った『風景』にも言及することにしました。佐藤は、2011 年の東日本大震災を機に、伊達 (仙台)藩の家臣だった先祖について知っておきたいと考えたと言います。佐藤の先祖は、明 治 3 年に、会津藩に味方をした廉で伊達藩主と共に明治政府の命を受けて北海道面西部(現在 の伊達市)に入植しました。仙台市にも足を運び調べていくうちに、『龍神』のリサーチの中 に登場する入植者と自分の先祖が次第に交わりあい、佐藤はさらに新しい『風景』を獲得して いきます。制作はまだ続いており最終的に何が見えてくるのかはまだわかりませんが、今回は 佐藤の中で現在は分かち難い2つのモチーフを1つの空間に共存させることを試みました。」 (当展キュレーター 菊田樹子)

 

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1「新・風景論 哲学的考察」清水真木(筑摩書房、2017年) p.179

2「風景は地平だったものである」という言説は、上記書籍で清水真木氏が展開している。

 

「龍神とは何か?」という佐藤の素朴な問いが、「風景とは何か?」という問いを引き出し、 いま、さらなる問いを生成し続けています。今回の展示は、佐藤が見出した「風景」と「風景 写真」への新たな視座を本格的に発表する初の個展となります。

 

 

 [プロフィール]

佐藤祐治

1975 北海道伊達市生まれ、札幌市在住。

2008年より「メタ佐藤」名義で、コニカミノルタ「フォト・プレミオ 2015」、第31回東川町国際写真フェスティバル「赤レンガ 公開ポートフォリオオーディション 2015」 グランプリなどを受賞。2015年より、北海道の龍神信仰・雨乞いのリサーチをスタートさせ、Webで公開している。

虫の知らせ https://ryujin.metasato.com

作家Webサイト  https://metasato.com

 

 [個展]

2019年 「地平だったもの」 / 書肆吉成 丸ヨ池内GATE6F店 ギャラリー(札幌)

2018年 写真展「山が見ている」 / WOOD LINK(ウッドリンク)furniture & gallery(札幌)

2016年 コニカミノルタ「フォト・プレミオ 2015」写真展 / コニカミノルタプラザ GALLERY B(東京)

2015年 東川町国際写真フェスティバル 赤レンガ・公開ポートフォリオオーディション グランプリ写真展「光景・色景」 / TOKYO INSTITUTE OF PHOTOGRAPHY(T.I.P)72Gallery(東京)

2014年 写真展「光景 - 夜を昼にする - 」 / Temporary Space(札幌)

2007年 写真展「蟒蛇、上摩り」 / Radio&Records(札幌)

 

 [グループ(抜粋

2016年 東川町国際写真フェスティバル 「赤レンガ写真展 Red Brick Gallery Photography Exhibition」(東川)

500m美術館 vol.18 Sapporo Section 3:Photo「記憶と記録の札幌」/ 札幌大通地下ギャラリー500m美術館(壁面ウォール)(札幌)

2013年 「写真 重力と虹」 / CAI02(札幌)

2012年 アートアニュアル2012-2013 「アニマルフォトストリート」 / 地下鉄円山公園駅(札幌)

2011年 三角展 / toov to ov cafe(札幌)

2010年 三角展「パラダイム・シフト」 / Temporary Space(札幌)

2008年 「写真新世紀東京展2008」 / 東京都写真美術館(東京)

 

 [受賞]

2015年 コニカミノルタ「フォト・プレミオ 2015」 入賞

     第31回東川町国際写真フェスティバル 「赤レンガ 公開ポートフォリオオーディション 2015」 グランプリ

2013年 ONWARD Compé 13(juried by Mark Steinmetz) 入選

2008年 キヤノン写真新世紀 佳作

収蔵  東川町

 

*上記、下線の展示以外はメタ佐藤名義

 

 

Kanzan Curatorial Exchange「風景」

全4回の展示を通して、風景と写真について考える展覧会シリーズ。

vol.1:2020.3.13-4.3 榎本千賀子「人為のかたち 福島県大沼郡金山町」

vol.2:2020.7.10-31 若山忠毅「離合/集散」

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